厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、介護業界の有効求人倍率は約4倍です。新型コロナウイルスで有効求人倍率が下がる中でも、介護業界は慢性的な人材不足の問題に陥っており、技能実習生の受け入れを視野に入れるべきだということが分かります。実際に、技能実習生の受け入れると、高い満足度は得られるのでしょうか?ここでは、介護業界で検討したい技能実習生の実態について解説します。
[介護業界]技能実習生の受け入れの満足度
日本総研「人手不足と外国人採用に関するアンケート調査」によると、外国人労働者を雇用している企業は「期待以上の活躍をしてくれている(12.7%)」「ほぼ期待通りの活躍だ(64.4%)」と外国人労働者について回答しており、8割の企業が満足しています。
「期待ほどではないが外国人がいないと困る(15.1%)」を合わせると9割の企業が、外国人労働者に対して満足しているのです。
外国人労働者を受け入れている企業の満足度は高く、人材不足の問題を抱えている介護業界は、外国人労働者の雇用を検討した方が良いことが調査結果から分かります。
[介護業界]外国人技能実習生受け入れの問題
介護業界の人材不足問題を解決するためにも、技能実習生の受け入れは必要です。しかし、労働基本関係法令違反で監督指導や送検される企業は70.4%と高い水準を記録しています。労働基準局監督課の報告書によると「労働時間(23.3%)」「安全基準(22.8%)」「割増賃金の支払(14.8%)」などの問題が発生しています。各問題について理解を深めておきましょう。
労働時間
介護現場には夜勤協定のような措置がないため、夜勤日数が青天井になることがあります。労働基準法には8時間労働を超える場合は、1時間の休憩を定めると記載が定められていますが、夜勤に関しての定めはありません。そのため、スタッフ不足に陥りがちな夜勤に技能実習生を充てて、過重労働に該当してしまう施設も増えています。
安全基準
国連や国際労働期間では、外国人労働者を奴隷のように働かせる日本に対して是正勧告を出しており、2015年以降は国会でも安全基準について取り上げられています。そのため、外国人労働者の受け入れを行う際は、安全基準を理解した上で働かせなければいけません。
割増賃金の支払い
賃金・割増賃金の不払いに関する技能実習生からの申告件数は多いです。賃金だけではなく、技能実習生が仕事中に負傷した際に労災が下りないなど、補償面の完備の不足も見受けられます。技能実習生でも最低賃金は支払わなければいけません。技能実習制度について理解をした上で、規定に沿った賃金を支払いましょう。
技能実習生受け入れの問題の発生要因
外国人技能実習生を受け入れている7割の企業で法律違反が起きています。なぜ、法律違反は起きてしまうのでしょうか?ここでは、問題発生の要因について解説します。
夜勤協定が定められていない
夜勤協定が定められていないため、適切な環境整備ができていない介護事業者は多いです。16時間以上の長時間労働をさせて、夜勤間隔が12時間以上確保されていない等の問題が起きているため、運営体制を見直す必要があります。
外国人技能実習制度に対する理解不足
能実習制度の理解度が足りない企業で法律違反が起きやすいです。発展途上国の技能実習生は報酬が得たいために、夜勤も喜んで引き受けます。「外国人技能実習生の要望を叶えているつもりが法律違反に該当してしまった…」というケースも珍しくありません。このような問題が発生しないように、技能実習制度について正しく理解する必要があります。
介護事業者と技能実習生のすれ違い
コミュニケーション不足によるすれ違いも発生します。外国人技能実習生でも国別に文化や慣習が異なります。そのため、1人1人とコミュニケーションを取り、要望などを聞く必要があります。外国人技能実習生の受け入れで成功するためには、双方向のコミュニケーションが必要不可欠です。
[介護業界]外国人技能実習生を受け入れる際のポイント
技能実習生の受け入れで8割の企業が満足していますが、7割の企業で法律違反が起きています。法律違反せずに受け入れるにはどうすれば良いのでしょうか?ここでは、技能実習生を受け入れる際のポイントについてご紹介します。
技能実習生の要望を聞く
技能実習生の要望を聞くことが必要不可欠です。ある程度の日本語を習得している技能実習生ですが、文化や慣習は日本人と異なります。異なる文化や慣習に興味や関心を寄せることで、相手も心を開きやすくなります。
そのため、技能実習生を受け入れる場合は、双方向のコミュニケーションを心掛けることが大切です。
技能実習制度について理解を深める
人員不足の問題を解決するために、技能実習生を雇用する場合は、技能実習制度について理解を深めておきましょう。理解せずに技能実習制度を利用すると法律違反に該当してしまうなどのトラブルが起きてしまいます。そのため、制度について理解を深めておきましょう。
信頼できる監理団体に相談する
技能実習制度の全てを理解するのは大変です。また、言葉の壁や文化の違いの壁を払拭するのも大変に感じてしまうでしょう。
このような問題を解決するためには、信頼できる監理団体の存在が欠かせません。そのため、技能実習生を受け入れる場合は、信頼できる監理団体に相談をしてみてください。
まとめ
「雇用した外国人労働者が想像以上に活躍してくれて満足している」と回答する企業が8割の中で、7割の企業が法律違反に該当してしまっています。企業に貢献してくれる外国人労働者は大切にしたいものです。
しかし、外国人技能実習生の受け入れる場合は、技能実習制度について理解を深めなければいけません。また、言葉や文化も異なるため注意が必要です。しかし、安心してください。実績を豊富に持つ監理団体のサポートを受ければ、安心して技能実習生を受け入れることができます。
ぜひ、技能実習生の受け入れを検討している介護事業者様は「グローウィル事業共同組合」までご相談ください。